キャスポル 支持力計算について
簡易支持力測定器「キャスポル」を用いた施工管理の範囲
土質範囲
キャスポルで精度よく測定できる土質範囲は、最大粒径が37.5mm以下、10mm以上の礫を30%以上含まない土質材料です。
適用範囲
キャスポルによる施工管理の適用範囲は、下記のとおりです。
許容支持力(qa)の算出式
1)使用するデータと式
キャャスポルを用いて地盤の許容支持力を算出するには、キャスポルで測定できる「せん断抵抗角(φ)」と「粘着力(c)」、 そして国土交通省告示1113号、建築基礎構造設計指針の「極限支持力算出式」を用います。
(※なお、ご紹介しているqaの式は参考例で、他にも様々な計算式がございます。)
(※なお、ご紹介しているqaの式は参考例で、他にも様々な計算式がございます。)
2)支持力算出式と支持力係数
国土交通省告示1113号、建築基礎構造設計指針の「極限支持力算出式」とは、下記のような構成で算出される式です。
キャスポルを用いて支持力を算出する場合には、この式のまま全てを計算するわけではありませんが(次項で説明)、 まずは式の中身をご確認ください。
キャスポルを用いて支持力を算出する場合には、この式のまま全てを計算するわけではありませんが(次項で説明)、 まずは式の中身をご確認ください。
3)砂質土地盤の場合
さて、上述の「極限支持力算出式」から値を算定していきますが、キャスポルの測定値を用いて砂質土地盤の許容支持力を算出する場合、下記の条件を加えます。
結果、下記の図の[砂質土地盤の公式]となります。
- 粘着力(c)をc=0とする
- 地盤面から基礎底面までの土被りはないもの(Df=0)とする
- 基礎底面に作用する荷重の傾斜・偏心もないものとする
結果、下記の図の[砂質土地盤の公式]となります。
4)粘性土地盤の場合
さて、次は粘性土地盤の場合です。下記の条件を加えます。
結果、下記の図の[粘性土地盤の公式]となります。
- せん断抵抗角(φ)をφ=0とする
- 地盤面から基礎底面までの土被りはないもの(Df=0)とする
- 基礎底面に作用する荷重の傾斜・偏心もないものとする
結果、下記の図の[粘性土地盤の公式]となります。
(例題)擁壁基礎地盤の許容支持力算定
さて、実際に許容支持力を計算してみましょう。
【 高さH=4m、底盤幅B=2m、設計許容支持力141.1kN/m2の重量式擁壁 】を施工するための基礎地盤支持力を算定してみましょう。
【 高さH=4m、底盤幅B=2m、設計許容支持力141.1kN/m2の重量式擁壁 】を施工するための基礎地盤支持力を算定してみましょう。
1)砂質土地盤の場合
キャスポルで擁壁基礎地盤面を測定した結果、せん断抵抗角φ=34° が求まりました。
では、必要な値を代入していきます。
では、必要な値を代入していきます。
→ 許容支持力がqa=145.6kN/m2となり、基礎地盤の支持力は必要な地耐力を有していることが確認されました。
2)粘性土地盤の場合
キャスポルで擁壁基礎地盤面を測定した結果、地盤の粘着力c=89.2kN/m2が求まりました。
では、必要な値を代入していきます。
では、必要な値を代入していきます。
→ 許容支持力がqa=151.6kN/m2となり、基礎地盤の支持力は必要な地耐力を有していることが確認されました。
なお、ここでご紹介したキャスポルを用いた支持力計算の方法等については、「簡易支持力測定器『キャスポル』 利用の手引き」に掲載されています。 詳しくは、そちらもご参照ください。