「地盤改良」に関わる技術評価証明 報告書 (第3 回更新版)
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はじめに 構造物の基礎地盤の支持力の設計に際してはボーリング等で調査し、施工に際しては平板載荷試験等によって確認します。また、舗装は路床上のCBR によってその厚さ等を設計し、施工に際してはプルーフローリング等によって確認します。地盤の特性値を調査する上記の原位置試験は、相当規模の設備と反力を必要とし結果が判明するまでに長時間を要し、調査費も高額であるという難点を抱えています。 その為、小規模構造物の設計・施工に際しては、周辺地盤の支持力を代用したり、経験による支持力の推定がなされています。 近畿技術事務所では、地盤定数を把握する原位置試験等の問題点を解決して施工管理の合理化を図るため、試験器が軽量で持ち運びに便利で取り扱いやすく、反力を必要とせず、現場で即時に結果が判明する試験器の開発を目標として「衝撃加速度法」に着目し、平成5年度より3年間で簡易支持力測定器(以下、キャスポルと記す)を開発しました。 平成8年に販売が開始されて以来、9年が経過し400 台余りが現場で利用されています。その間のユーザーからの要望等を反映して、この度手引き書を再改訂することに致しました。主な改訂点は、地盤の許容支持力度の算定方式の変更及びQ&Aの追加です。 キャスポルは、ランマー(重錘)を、所定の条件で地盤上に自由落下させた時の衝撃加速度が、高精度で測定できます。しかし、衝撃加速度と地盤定数との相関関係は、礫質土から粘性土までひとつの相関式で表すことには無理があります。特に同じ衝撃加速度でも、土質間で密度が違っていたり、細粒分含有率や礫分含有率が多くなると、測定値にばらつきが生じたりします。よって、現場で有効に活用してもらうには、現場材料の物理的性質を十分把握していただくことが必須条件です。本手引き及び使用マニュアルを参考にしていただき、現場技術者の創意工夫で、より有効な測定器として活用していただくことをお願いします。 キャスポルは文字通り簡易な測定器であり、内蔵されている衝撃加速度と地盤定数との相関関係を利用して、CBR、粘着力(c)、内部摩擦角(φ)、コーン指数(qc)、道路の平載荷試験から得られる地盤反力係数(K30)等の測定が可能なすぐれものです。土工事の現場に常備していただいて、きめ細かい施工管理あるいは地盤調査の省力化ひいては建設費の縮減に役立てていただきたい。 平成17 年 6 月 国土交通省近畿地方整備局近畿技術事務所長 山本剛
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